ダム式経営 3/3

つづき

任天堂は、ゲーム時代の転換期においても、コツコツと積み上げた自己資本(潤沢な内部留保)のおかげで、余裕をもって次の時代の新製品開発に取り組むことができるという訳です。

「ダム式経営」とは経営にもダムで水を貯えるような、余裕のある進め方が大事であるとい
うことです。すなわち、税引後の利益を内部留保として蓄えて、自己資本比率を高める
ことが、経営に余裕を持たせるのです。

以下稲盛和夫氏(京セラ創業者)税引後利益の重要性について語った文章を引用させて
いただきます。


「税引後利益を大切にすることは、内部留保を蓄え、自己資本比率を高め、企業の財務体質を
強化する唯一の方法なのです。どれほどたくさんの税金を支払わなくてはならないにしても、
収益性を上げる努力を続けなければなりません


私は税金を必要な事業経費の一部として捉え、税引後利益をコツコツと社内に蓄積してきまし
た。現在、京セラは大きな内部留保を持っており、それによって会社には安定性と柔軟性が、
従業員には仕事の機会がもたらされています。また、この強さがあればこそ、新たな事業への
チャレンジも可能となるのです。」

成功への情熱 稲盛和夫著) PHP文庫

企業の将来を保証するものは何もありません。
企業経営は、人の人生と同じで良いときもあれば悪いときもあります。
環境がどのように変化しようとも、その変化に耐えられるだけの体力をつけておかねばなりま
せん。すなわち自己資本比率を高めることが大事なのです(ダム式経営)。

参考
自己資本比率上位ランキング 日・米の自己資本比率の高い企業の情報が見られます。
アメリカにも財務内容のよい企業がたくさんあるのは意外?でした。
 

投稿日時:2010.07.12(Mon) 18:54:07|投稿者:tokunaga