震災後の復興

今朝の日本経済新聞のコラム【春秋】を紹介いたします。

関東大震災の直後。内相に内定していた後藤新平は、日銀総裁の井上準之助に諭した。
「身命を賭して御奉公するのは、今の時だよ」ー。「小伝 後藤新平」(沢田謙著)にある。
井上は蔵相を引き受け、復興財源の調達に奔走した。

関東大震災で帝都の東京は焦土と化した。ぼうぜんとしている時ではない。
後藤も自ら帝都復興院の総裁に就き、震災後の復興を主導した。
復興計画、建築事務、建築監督、土地整理、救護、事務を担う各独立機関の設置を求め、
学者の登用も提言した。「単なる復旧ではない。復興である」が口癖だったという。

東日本大震災から、きょうで10日。被災地では深刻な食料や燃料不足が続く。
避難生活を強いられている人々の救援は最優先の課題だ。
電気・ガス、水道、道路の復旧や医療の提供、住宅の確保も急がれる。
福島第一原発の危機もなお余談を許さない。
「復興」を口にすることがまだ、はばかられるかもしれない。

焦燥感が社会を覆っている今だからこそ、英知を集結して日本「復興」の青写真を
描いていくのも大切ではないか。後藤は説いた。
「帝都復興その事は、ただ形式の復興に止まらず、また国民精神の復興を必要といたします」。
壮大な復興構想から「大風呂敷」とも呼ばれた後藤だが、国民に勇気と希望を与えた。

人物紹介 wikipedia

* 井上準之助 
* 後藤新平 

大規模な震災からの復興には、私利私欲のない政治家による強力な政策が必要です。
過去の歴史を学び、今後の復興への道筋を策定していただきたいと願います。

投稿日時:2011.03.21(Mon) 14:38:33|投稿者:tokunaga