慈善活動 - お金と心

昨年の日本経済新聞のコラム「春秋」のひとつを紹介します。

日本経済新聞コラム【春 秋

世界的なベストセラー「道は開ける」に53歳のジョン・D・ロックフェラーは
ミイラそっくりに見えたとある。巨万の富を築いたが、日夜それを失いはしないかと
不安で睫毛(まつげ)まで抜け落ちる禿頭(とくとう)と不眠症、消化不良に
悩まされていた。

医者は「引退か、死ぬかの二つに一つ」と警告した。
引退の道を選択したロックフェラーは他人について考えるようになった。
金が人間の幸福にどれだけ役立つか。その莫大な富を他人に与え始めて人生は激変した。
財団は全世界の疫病や無知との戦いに貢献し、心の平和を得て97歳の長寿を全うした。

ロックフェラーとほぼ同年代の鉄鋼王A・カーネギーも1901年に突然、
カーネギー製鋼所をモルガンに売却して実業界を去り慈善事業に巨額を投じた。
先月末に52歳で第一線を退いた米マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏も慈善活動
を本格化した。「金は集めるより散じるが難し」(安田善次郎)

ゲイツ氏の資産は推定580億ドル。投資家のW・バフェット氏がゲイツ氏の財団に
310億ドルを委託するなど財団の資金力は世界を動かす。
先週ニューヨーク市長のブルームバーグ氏に共鳴して1億2500万ドルを発展途上国の
禁煙促進運動に投じると発表した。
慈善事業も様変わり。戦略的な要素が色濃く出る。


人物紹介 wikipedia

* ジョン・デイヴィソン・ロックフェラー・シニア
* ジョン・ディヴィソン・ロックフェラー・ジュニア(ロックフェラー2世)
* ロックフェラー財団
* 安田善次郎
* ウーレン・バフェット
* ビル・ゲイツ 

投稿日時:2011.03.19(Sat) 20:39:00|投稿者:tokunaga